特集1 エネルギー・環境

気候変動問題と再生可能エネルギーへの対応 専務取締役 細井 聡一 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 13.気候変動に具体的な対策を

気候変動問題に対する芙蓉リースグループの認識

近年、異常気象や海面上昇、森林火災などの気候変動による物理的影響が顕在化しています。2015年に気候変動の緩和に向けパリ協定が締結されて以降、先進国・開発途上国を問わず対策が求められるだけではなく、企業も温室効果ガスの排出削減などに積極的に取り組むことが求められています。

芙蓉リースグループにおいても、気候変動がもたらすリスクと機会へ対応することは、重要であると認識しています。中長期的なリスクとして、自然災害の増加による事業活動の制限や炭素税等の規制・諸制度の変更が業績へ影響を及ぼす可能性がある一方、再生可能エネルギー設備や省エネルギー機器等のリースに対する需要の高まりは中長期的な機会として捉えています。このようなリスクと機会に対応するため、当社グループでは、社会課題の解決に向けた重要な取り組み課題(マテリアリティ)の一つとして、「気候変動問題と再生可能エネルギーへの対応」を掲げています。

芙蓉リースグループが推進する再生可能エネルギーの普及に向けた取り組み

気候変動への対応として、まず当社グループ自らが温室効果ガス削減に向けて大きく取り組みを進めていく必要があると認識し、2018年に国内の総合リース会社として初めて「RE100」に参加しました。RE100は、事業活動で消費する電力を全て再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的な企業イニシアチブです。

更に、ビジネスを通じた脱炭素社会推進への貢献を目指し、「再生可能エネルギー発電事業」「再生可能エネルギー関連インフラの普及推進」「再生可能エネルギー関連技術への投資、事業化・商業化のサポート」の3つを柱とした取り組みを積極的に行っています。

再生可能エネルギー転換に向けた取り組みの全体像 「RE100」への参加/再エネ転換を推進 1.電力再エネ化 グループ消費電力を100%再エネ化 目標 2030年:50% 2050年:100% 2.再エネビジネス ビジネスを通じた脱炭素社会推進への貢献(3つの柱) 再エネ発電事業 再エネ発電所開発による地域への貢献 再エネ関連インフラの普及推進 広範な顧客基盤を通じた再エネ関連インフラの普及推進 再エネ関連技術への投資、事業化・商業化のサポート 新たなビジネス機会創出のため出資や業務提携アプローチを模索

再生可能エネルギー発電事業

浪江酒井第一・第二太陽光発電所(福島県浪江町)

当社グループは、ビジネスを通じた再生可能エネルギー普及推進の一環として、太陽光発電事業に取り組んでいます。現在では国内に計34カ所の太陽光発電所が稼働しており、約5万7千世帯分の電力を地域社会に供給しています。2019年度は、東日本大震災で被害を受けた「帰還困難区域」における初の事業として、福島県浪江町で東北地方最大級となる出力約60MW-dcの太陽光発電所の稼働を開始しました。

再生可能エネルギー関連インフラの普及推進

日本企業においても、RE100に参加する動きが広がっています。更に、中小企業や行政、病院、教育機関等が再エネ100%を宣言する新たな枠組みとして、2019年10月には「再エネ100宣言 REAction」が設立しました。

再生可能エネルギーの普及が進みにくい要因の一つとして、特に中小企業等において設備投資のコストが大きな負担となってしまうことが挙げられます。当社は、長年培ってきたファイナンスのノウハウを活用し「再エネ100宣言 RE Action」への参加企業・団体を金融面からサポートすべく、「芙蓉 再エネ100宣言・サポートプログラム」を立ち上げました。具体的には、専用のグリーンボンドを発行し投資家の皆様から資金を集め、これを再生可能エネルギー・省エネルギー設備等を導入する参加企業・団体へのファイナンスに活用します。2019年度は、合計で15団体へのサポートが決定しました。

本プログラムは、再エネ普及に向けた日本全体の動きに呼応した取り組みとしてその貢献性と新規性が認められ、環境省の「2019年度グリーンボンド発行モデル創出事業に係るモデル発行事例」に選定されました。更に、ESG金融に積極的に取り組む金融機関や環境サステナブル経営に取り組む企業を表彰する「ESGファイナンス・アワード」のボンド部門において、唯一、金賞(環境大臣賞)を受賞しました。今後も、当社グループはお客様の再生可能エネルギーに係る資金需要等に積極的に対応してまいります。

また、再生エネルギーの発電インフラを供給するビジネスとして、2019年度よりグリーン電力供給サービス(PPAサービス)を推進しています。本サービスは、当社がお客様の敷地や屋根に太陽光発電システムを設置し、直接電力を供給するサービスです。環境価値のあるCO2フリーの電力を生み出す発電システムを多くのお客様に供給し、再生エネルギーの更なる普及に貢献するべく、本サービスの取り組みを加速させていきます。

2020 ESG FINANCE AWARDS JAPAN GOLD 再エネ100宣言 RE Action

VOICE

執行役員 エネルギー・環境営業部長
佐々木 幹

太陽光発電事業の更なる電源拡大に取り組むとともに、戦略パートナーとの協働により水力・風力・バイオマス・地熱発電事業への参画を進めています。併せて、再生可能エネルギー分野で先行する海外における電力インフラビジネスや電源開発に取り組むことで、国内外での再生可能エネルギーの供給拡大を目指します。

また、2019年度にはグリーン電力供給サービス(PPAサービス)を開始しました。本サービスでは、当社が無償で発電システムの設置・運用・保守を行い、お客様に再生可能エネルギーを供給いたします。

その他にも、「BCP対策としてのEV・蓄電池インフラサポート」「ESCO事業」など、脱炭素化に向けた様々なサービスを取り揃えており、「芙蓉 再エネ100宣言・サポートプログラム」等の独自のファイナンス機能と組み合わせることで、お客様に最適なソリューションをご提案いたします。

再生可能エネルギー関連技術への投資、事業化・商業化のサポート

当社は、再生可能エネルギー導入の更なる拡大に貢献すべく、再生可能エネルギー関連の先端技術を持つベンチャー企業に対して出資や業務提携を行うことで、その事業化・商業化を後押ししています。

2018年度は、次世代蓄エネルギーシステムの開発・製造を行うエクセルギー・パワー・システムズ社及び先進的な蓄電池の制御技術を活用したバッテリーマネジメントシステムを提供するNExT-e Solutions社と資本業務提携を実施しました。

更に2019年度には、ヒラソル・エナジー社との資本業務提携を実施しました。ヒラソル・エナジー社は、東京大学発のベンチャー企業で、太陽光発電設備の保守管理IoTプラットフォーム「PPLCPV」を開発しています。電流・電圧・温度などのデータを収集し解析することで、パネル単位での稼働状況を把握し、不具合や異常を遠隔で早期に特定することが可能となります。再生可能エネルギーの主力電源化のためには、長期間安定して発電所を運営可能とすることが重要な要素の一つであり、同社が提供するサービスは太陽光発電の維持・拡大に貢献するものと考えています。

今後もベンチャー企業へのサポートを通じて、再生可能エネルギーの普及推進と新たなビジネス機会の創出を図っていきます。

  • A Pulse Power Line Communication for Series-Connected PV Monitoring の略称です。

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