特集2 医療・福祉

医療機関の経営課題に幅広いソリューションを提供する「芙蓉リースプラットフォーム構想」 常務執行役員 織田 寛明 3.すべての人に健康と福祉を

医療機関の抱える経営課題と芙蓉リースの取り組み

医療を取り巻く環境の変化により、医療機関の抱える経営課題は多様化しています。例えば、働き方改革を推進するため、医療従事者の労働環境改善に向けた取り組みは急務となっています。また、少子高齢化の進展による患者構造の変化や地域医療構想※1に伴う病院再編の加速がもたらす医療機能の転換への取り組みも必要となっています。更には、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大や大規模災害への対応策の一環として、オンライン診療や遠隔診療の導入などに対する社会的要請も高まっています。多くの医療機関が設備投資を維持しつつコスト削減を図るなどの経営合理化も求められており、こうした多岐にわたる経営課題への取り組みが医療機関にとって喫緊の課題となっています。

当社グループは、医療・福祉を戦略分野の一つに位置付け、医療機器・施設のリース・ファイナンス、診療・介護報酬債権のファクタリング、中古医療機器の撤去・買い取りといった様々なサービスを提供してきました。これまでの事業活動で培ってきたノウハウや豊富なサービスを活かして医療分野の課題解決へ更なる貢献を果たすため、多様化している医療機関のニーズを的確に把握し、幅広いソリューションを提供する仕組みづくりに注力しています。

顧客ニーズを捉えるアドバイザリー機能と情報チャネルの拡充

当社グループは、医療機関の多様なニーズを捉え、それらを満たすサービスを開発するための体制を構築してきました。まず、組織の専門性を強化すべく人材登用を行い、2019年4月に「ヘルスケア・アドバイザリー部」を新たに設置しました。これにより、専門的な知見や人的ネットワークの活用を進め、大学病院や地域医療の中核を担う病院の経営層に向けた営業活動を強化しました。経営層へのアプローチを積極的に行うことで、各医療機関の具体的なニーズを把握するとともに、新たなサービスの開発に活かしています。更に、医業経営支援に特化した税理士法人・会計事務所の全国組織であるメディカル・マネジメント・プランニング・グループ(MMPG)の提携法人会員となり、同グループが有する医療分野における情報やノウハウ、会員同士のネットワークを活かして当社グループのサービスを幅広く展開するなど、情報チャネルの拡充にも力を入れています。

「芙蓉リースプラットフォーム構想」による包括的なワンストップサービスの提供

芙蓉リースプラットフォーム構想(次ページ図参照)は、「経営ソリューション」「機器・設備・アメニティ」「ファイナンス」「撤去・運搬・処分/中古機器の買い取り・販売」「業務効率化・省エネ省コスト」の5つの側面から、顧客のニーズに合わせてサービスを組み合わせ、ソリューションを提供するワンストップサービスです。当社グループは、芙蓉リースプラットフォーム構想の下、医療機関や福祉・介護事業者、自治体向けサービスのラインアップ拡充に取り組んでいます。

「経営ソリューション」では、医療インキュベーターである日本医療機器開発機構(JOMDD)との資本業務提携を行い、同機構を通じて得られる知見を活かした医療機関向け経営ソリューションの開発・提供を目指しています。また、「機器・設備・アメニティ」では、医療系ベンチャー企業であるリバーフィールド株式会社※2や株式会社クリュートメディカルシステムズ※3、株式会社Lily MedTech※4などとの資本業務提携を通して、先進的な医療技術の開発・浸透を後押ししています。更に、「ファイナンス」においてはアクリーティブ社による診療・介護報酬債権ファクタリング、「撤去・運搬・処分/中古機器の買い取り・販売」においてはFUJITA社による中古医療機器の撤去・再販サービス、「業務効率化・省エネ省コスト」においてはNOCアウトソーシング&コンサルティング社によるBPOサービス等導入に関わるコンサルティングなど、グループ各社の提供する各種サービスがプラットフォームの充実に大きく貢献しています。これらを顧客ニーズに合わせて最適に組み合わせることで、幅広いソリューションの提供を可能にしています。

今後は、芙蓉リースプラットフォーム構想の更なる拡充に向けて、医療・福祉分野における事業領域拡大を進めていきます。具体的には、医薬品などのネットワーク事業及び調剤薬局事業を行う株式会社メディカルシステムネットワークとの戦略的包括提携を活用するとともに、医療系コンサルティング会社などの専門性の高い企業との協働を推進します。新しい事業領域への拡大を通じてプラットフォームの充実を図り、更に多様な顧客ニーズの解決に貢献していきます。

芙蓉リースプラットフォーム構想:プラットフォーム:経営ソリューション[芙蓉リースヘルスケアアドバイザリー部、日本医療機器開発機構、コンサル会社、医療情報提供会社]、機器・設備・アメニティ[リバーフィールド、クリュートメディカルシステムズ、メディカルシステムネットワーク、シンクサイト、医療機器商社、医療機器製造会社、ITベンダー]、ファイナンス(施設の保有)[芙蓉リース、シャープファイナンス、芙蓉オートリース、アクリーティブ、横河レンタ・リース、日本信用リース]、撤去・運搬・処分/中古機器の買い取り・販売[芙蓉リース販売、FUJITA、オフィスバスターズ、ロジスティクス会社、廃棄処理会社]業務効率化・省エネ省コスト[インボイス、メリービズ、NOCアウトソーシング&コンサルティング、エネルギーサービス会社、ビル管理会社、水供給会社、BCF製品サプライヤー]→ワンストップサービスの提供→マーケット:福祉・介護、医療、地域社会/自治体

VOICE

執行役員 医療福祉営業部長
大坪 秀行

2019年4月に設置したヘルスケア・アドバイザリー部では、医業経営コンサルタントと連携し、地域医療の中核を担う医療機関に対して当社グループのBPOサービスの活用とRPAの導入による病院事務の改善・効率化を提案しています。また、アクリーティブ社が提供する診療・介護報酬債権の早期支払いサービスでは、お申込みから事務手続きまでをオンラインで提供可能な体制の構築に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症への対応など医療機関や介護事業者様の経営を取り巻く環境が厳しさを増す中、これからもお客様の経営課題に向き合い、当社グループの総合力を結集して最適なソリューションを提供してまいります。

持続的かつ安定的な介護サービスを実現する介護事業者サポートプログラム

高齢化の進展を背景に介護サービスの需要が高まる一方で、生産年齢人口の減少に伴い介護人材不足は拡大することが予想され、介護事業者の多くが介護サービスを提供していくために必要な人材の獲得やICT(情報通信技術)の活用推進、安定的な資材・資金の調達などの課題に直面しています。

当社グループは、様々な課題に直面する介護事業者の持続的かつ安定的な事業運営をサポートする枠組みとなる介護事業者サポートプログラムの構築に着手しています。このプログラムは、当社グループと大手介護事業者、大手金融機関が協働し、「経営合理化・人材派遣」「介護・福祉用具の調達」「資金サポート」の3つの側面から介護事業者に対するソリューションを提供する構成となっています。当社グループは、介護・福祉用具のリース・ファイナンス、BPOサービスによる業務効率化支援、介護報酬債権の早期支払いサービスを通した資金サポート、更には事業再生に必要な資金などを提供する役割を担っており、グループ力を結集して介護事業者を支援し、持続可能な地域社会づくりに貢献していきます。

介護事業者サポートプログラムの全体像:大手介護事業者・芙蓉リースグループ・大手金融機関→介護サポートプログラム(経営合理化・人材派遣、介護・福祉用具の調達、資金サポート)→介護サービス事業
  • ※1
    地域医療構想:2025年における医療ニーズを推計し、それに対応する医療体制をつくるため、地域の関係者が協力して医療機関の役割分担や連携の仕組みを構築する取り組みです。
  • ※2
    リバーフィールド株式会社:国産初の手術支援ロボットを開発する東京工業大学発のベンチャー企業です。当社は、同社に対するリース・レンタルなどの販促提携を前提とした出資を行いました。
  • ※3
    株式会社クリュートメディカルシステムズ:視野検査装置「アイモ」を開発する東京大学関連のベンチャー企業です。当社は、リースなどのファイナンスプランによって「アイモ」の販売をサポートすることを目的に、同社との資本業務提携を締結しました。
  • ※4
    株式会社Lily MedTech:乳がん用画像診断装置の開発を行うベンチャー企業です。当社は、同社機器のリース・レンタルなどのスキーム開発・販売促進を目的として、同社との資本業務提携を締結しました。

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