特集4 モビリティビジネス

モビリティの変革を捉えた新しいビジネスを創出し、物流モビリティ分野の課題解決へ貢献 常務執行役員 織田 寛明 11.住み続けられるまちづくりを

業界が抱える課題と芙蓉リースグループの対応

自動車業界はCASE※1と呼ばれる技術革新や、移動手段をITで繋ぐMaaS※2の進展により100年に1度の変革期を迎えています。物流業界においては、EC市場の拡大による取り扱い数量の増加、トラックドライバーの人手不足や高齢化、長時間労働是正に伴う働き方改革など、多くの社会課題が顕在化しています。運輸・郵便業は日本のGDPの約5%を占める重要産業であり、また企業が支払う物流コストは売上高の5%程度にのぼることからも、改善による便益は大きいと考えられます。こうした業界の大規模な変化や社会課題へ対応することは、企業の持続的な成長に必要不可欠なことであり、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。

当社グループは、車両に関する業務をトータルでサポートする芙蓉オートリース社を中心に、オートリース事業を拡大してきました。しかし、歴史的な変革期にある自動車業界・物流業界の課題にアプローチするためには、既存のオートリース事業を再構築し、物流・商流データの連携や物流機能の自動化を推進する物流モビリティ分野を強化することが必要です。その実現のため、当社は2020年4月にモビリティビジネス推進部を立ち上げました。同時に、オートリース事業を「モビリティビジネス」として再定義し、戦略分野に位置付けることで経営資源を集中させる土台を整えました。

今後の事業展開とモビリティビジネスの戦略ビジョン

左から 芙蓉オートリース株式会社 代表取締役社長 山田 秀貴
ヤマトリース株式会社 代表取締役社長 尾方 直美
芙蓉総合リース株式会社 モビリティビジネス推進部長 笹倉 慎二

「モビリティビジネス」を戦略分野の中でも新たな成長が見込める「新領域」に位置付け、物流、車両、倉庫などの物流モビリティ分野に関連する様々なビジネスへ事業領域を拡大していくことを目指しています。当社グループの強みである、高品質なソリューションと国内外の幅広いネットワークは事業領域拡大を推進する原動力であり、車両・物流業界のあらゆる課題解決をサポートしていきます。具体的には、自動車、運輸、倉庫などのターゲットに対して、「物流施設」「関連設備・サービス」「オート・トラック」「倉庫内作業効率化・自動化」「周辺業務効率化」の5つのカテゴリーごとに多彩なサービスを用意します。

更に、当社グループの物流倉庫の建物リースや倉庫内の設備リースといった事業活動や情報に横串を通しながら、ビジネスチャンスの拡大を目指します。北米でピックアップトラックのレンタル・リース・販売事業を展開するTDF社や米国を中心にマテハン機器のオペレーティング・リース事業を展開するPRC社といった、海外グループ会社のノウハウをグループ全体で共有するとともに、建機・運送車両リースに強みを持つ中道リース株式会社等との更なる関係強化による事業シナジーの創出を進めます。

芙蓉リースグループによるモビリティビジネスの全体像

ヤマトグループとの事業シナジー創出

ヤマトリース社の提供する中古トラックマッチングアプリ「トラマチ。」

モビリティビジネスの拡大に向けて、2020年4月にヤマトホールディングス株式会社との共同事業として、ヤマトリース社をグループ会社に迎えました。ヤマトリース社は、主に運送事業者に対してトラックのリースを中心とするファイナンスサービスや、中古トラックマッチングアプリ「トラマチ。」によるトラック流通サポートサービス、事業承継サポートサービスなどを提供しています。同社は物流業界に特化した約3,000社の顧客基盤など、これまで当社グループにはなかった強みを持つ会社であるとともに、運送事業者の経営課題を解決する提案型営業に優れ、トラックリース市場で一定のマーケットシェアを獲得しています。

物流ニーズの多様化などを背景にトラックリース需要は底堅く、今後も持続的な成長が見込まれています。車両に関する総合的なサポートサービスや物流施設のアセットマネジメント、BPOサービスなど、当社グループが持つサービスやノウハウを、ヤマトリース社を通じて多様な運送事業者に提供することで、同社との事業シナジーの創出を図り、事業拡大に取り組んでまいります。

また、当社グループとヤマトホールディングス株式会社は、ヤマトリース社の共同事業化に加え、互いの経営資源や強みを提供・活用することによる事業上のシナジー創出や更なる事業連携の可能性について協議を開始しています。中小運送事業者に強いパイプを持つヤマトリース社のバリューアップを図るため、業界の盟主であるヤマトグループと今後も積極的に事業連携を図り、具体的戦略を進めていきます。

モビリティビジネス分野での新たなビジネス創出

物流モビリティ分野の更なる活性化のために、当社では様々な企業とともに新しいビジネスに取り組んでいきます。荷主・運送事業者などに対しては、デジタル技術を活用したソリューションを提供し、共同輸送や混載配送・輸配送ルート最適化といった物流効率化を実現していきます。また、EC事業者とのビジネスマッチングによる物流の効率化提案や、「MONETコンソーシアム」※3加盟企業との協創による新しいモビリティサービス構築への取り組みに加え、パートナー企業との事業連携やベンチャー企業へのサポートなどを展開します。

物流モビリティ分野の構造変化に伴う様々な社会課題に対応すべく、当社グループの経営資源を集中的に投下し新たな価値を創出することで、物流モビリティ分野での「総合力No.1」のリース会社を目指します。

  • ※1
    CASE:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Service(シェアリング&サービス)、Electric(電動化)の4つのトレンドの頭文字をもとにした造語。
  • ※2
    MaaS:移動手段(モビリティ)のサービス化を表すMobility as a Serviceの略語。
  • ※3
    MONETコンソーシアムは、MONET Technologies社(ソフトバンク社とトヨタ自動車社の共同出資会社)が設立した、MaaSの実現に向けた企業間連携を推進する企業横断型組織です。

ページトップへ