クリニック(医科・歯科)、介護事業者の経営層に向けた情報発信で、課題解決を支援するWebサイトを構築 ヘルスケアビジネス推進部 課長代理 野々村 淳也
シャープファイナンス株式会社 医療マーケット企画部
Medical LIVES事業室 主任 東別府 慧人
アクリーティブ株式会社 ヘルスケアビジネス企画部 課長代理 津嘉山 奈穂子

医療機関や介護事業者を対象に、営業活動を強化してきた芙蓉リースグループ。長引くコロナ禍による直接アクセスがしづらい状況を考慮し、Webを介した情報提供で医療・介護事業者の課題解決をサポートするべく、新たなWebサイトの構築を進めている。
中でも、芙蓉総合リース(以下、芙蓉リース)が構築する「Fuyo Mediwel Support」がサイト群の玄関口となり、ユーザーを各専門サイトへ適切に誘導する。そして、アクリーティブ株式会社(以下、アクリーティブ)の「医療・介護ファクタリングサービスサイト」、シャープファイナンス株式会社(以下、シャープファイナンス)の「Medical LIVES」で、より詳しい情報を提供する仕組みだ。

クリニック(医科・歯科)、介護事業者に向けて、問題解決に資する情報を発信する

これまで、医療・福祉を戦略分野の1つに位置付け、医療機関の多様なニーズを捉え、それに応えるサービスを開発してきた芙蓉リースグループ。特に地域医療の中核となる医療機関の経営層へ積極的にアプローチし、具体的なニーズの把握に努めてきた。しかし、昨今は新型コロナウイルスの影響で直接的な営業活動が難しく、スムーズな営業活動ができない日々が続いているという。

こうした状況でも、何か役に立てることはないか――。そこで考え出したのが、Webを介した情報提供を通じて、医療機関の課題解決をサポートする仕組みだった。

「大きな病院向けの情報、例えば診療報酬改定についての情報などは、さまざまなメディアで取り上げられ、多くの関連情報が公開されています。一方で、病院とクリニックでは考え方が異なることもあり、クリニックに向けた経営に関する情報はほとんど公開されておらず、経営課題の解決に悩んでいる経営者も多いのです。このような環境で、有益な情報提供を通じて、医療・介護従事者と経営者の皆さんをサポートするために、Webサイト『Fuyo Mediwel Support』を立ち上げました」(野々村)

芙蓉リースグループは、提供可能なサービスをお客様のニーズに合わせて組み合わせ、幅広いソリューションをワンストップで提供する「芙蓉リースプラットフォーム構想」の拡充に取り組んでいる。今回のWebサイト構築は、そのプラットフォーム構想をWebの世界で実践した形だ。

豊富なコンテンツでユーザーの興味を喚起し、専門サイトへ誘導

芙蓉リースが運用する「Fuyo Mediwel Support」は、医科や歯科のクリニックや介護施設に向けて、経営に役立つ情報を掲載していく。情報は随時、3つの業種(医療、歯科、介護)、4つのフェーズ(開業、安定期、事業拡大、事業承継)、7つのカテゴリー(資金、不動産、人事・労務、集患/集客・PR、手続・法律、設備、経営)と細かく分けて掲載。来訪したお客様が、知りたい情報を自由に選択して閲覧できる。さらに、提携先との共同コンテンツとして、医療・介護経営の各分野で専門知識を保有する企業を取材し、専門的で役立つ情報を配信する予定もある。

2021年1月には、医療・介護・福祉業界に特化したM&A仲介事業、常駐型の経営支援事業を提供し、会員数34万人のニュースサイトを運営している株式会社CBホールディングスと業務提携。何より、問題解決に向けた知識の提供に加え、サービス提供まで併せて実施できるのが芙蓉リースの強みだといえる。この「Fuyo Mediwel Support」が、まず訪問ユーザーの興味を喚起し、各専門サイトへの誘導役を担う。

専門サイトの1つ、アクリーティブの「医療・介護ファクタリングサービスサイト」は、医療・介護事業者、障害福祉施設、調剤薬局向けに、ファクタリングサービスを紹介する。サービス情報の確認や調達額の簡易計算、見積もり依頼などが可能だ。申し込み専用サイト「Medicare in」を使えば、非対面・非接触、24時間いつでも申し込むことができる。

「ファクタリングという金融サービスに聞きなじみがない人は多いです。わかりにくいという声もありますし、手数料が高いなどのイメージを持つ人もいます。そういう方に向けて、この条件ならいくらまで資金調達できますなど、ターゲットごと、業種業態ごとにページを用意して、それぞれお悩みの解決策を示しています。ほかにも事例を用意して、お客様にファクタリングサービスをより理解していただくことを目指しています」(津嘉山)

シャープファイナンスの「Medical LIVES」は、長年にわたってリース取引をしてきた立場から、クリニック、歯科医院、動物病院、調剤薬局に対して、取扱商品・サービスに関する情報のほか、生き方や働き方にスポットを当てた情報を掲載していくサイトだ。一部コンテンツは会員向けの詳細な情報を公開しつつも、ほとんどのページは無料で閲覧できる。

「『医療と生きる人々が、生の情報でつながる』をテーマに、シャープファイナンスで取り扱っている商品やサービスに関する情報に加え、豊かな生活、余暇を楽しむ、輝く組織、仕事に生きる、NextStageへ、という5つのテーマで、記事コンテンツを順次追加していきます。お客様との日常的な接点を増やし、よりシャープファイナンスのことを知っていただくことで、お客様に付加価値を提供できるサイトにしていきたいと考えています」(東別府)

Webの情報発信力を高め、リアルとの多面的なアプローチを実現する

この3つのサイトがシームレスに連携することで、Webでの情報発信力、お客様の課題解決力を高めていく。これにより、リアルとWebの融合を含めた多面的なアプローチを実現し、芙蓉リースグループの掲げるプラットフォーム構想を、さらに拡充させていく方針だ。

「毎月6~8本程度のコンテンツ配信を計画しています。また、日頃リースのお取引がある企業様に『Fuyo Mediwel Support』での記事広告の出稿を提案することも考えています。提携企業様を増やして関係性を深めていくための1つのツールとしても、Webサイトを活用していきたいと思います」(野々村)

さらに、お客様へのアプローチ策として、メールマガジンの配信やセミナー開催の案内も計画中だという。本格的にWebマーケティングに乗り出した芙蓉リースグループ。今後のWeb戦略から目が離せない。

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