CSV2:サーキュラー・エコノミー

”サーキュラー・エコノミーのプラットフォーマー”となり社会全体に貢献する 常務執行役員 安藤 宏明 12.つくる責任つかう責任
  • 所属、肩書は2021年8月時点

サーキュラー・エコノミーが注目される背景

モノを「取って、作って、捨てる」従来の経済モデルは、資源をリサイクル・再利用することなく直線的に廃棄してしまうことから、「リニア・エコノミー(直線型経済)」と呼ばれます。廃棄物の大量発生や、有限な天然資源の枯渇及び価格の高騰、温室効果ガスの排出による気候変動への影響など、様々な負の影響が生じることから、リニア・エコノミーでは持続可能な経済発展は困難と言われています。こうした課題を解決する新たな経済モデルとして注目されているのが、「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」です。

サーキュラー・エコノミーとは従来のリニア・エコノミーに代わり、バリューチェーン全体を見直し「製品と資源の価値を可能な限り長く維持・循環させ、廃棄物発生ゼロを目指す」経済モデルです。モノの製造過程では多くのエネルギーが使われ、CO2が排出されます。特に、金属など天然資源の発掘から精錬までの工程や、鉄・コンクリートの製造工程において、エネルギー使用量やCO2排出量が大きいと言われています。エレン・マッカーサー財団の試算によれば、こうしたモノの製造や食糧の生産に関連するCO2の排出は、排出量全体の約45%を占めていると言われており、こうした発生源を断つサーキュラー・エコノミーは、脱炭素社会を推進するためにも不可欠な新たな経済モデルです。

エレン・マッカーサー財団が提唱する「バタフライダイアグラム」

これまでの環境保全の取り組み

芙蓉リースグループは「環境方針」のもと、リース契約が満了したリース物件について3R(リデュース:廃棄物の発生抑制、リユース:再利用、リサイクル:再資源化)に取り組むことで、事業活動による環境負荷の軽減に取り組んできました。

リース満了物件のリユースやリサイクルを担う「東京3Rセンター」では、当社グループの物件のみならず、企業などから買い取った中古資産のリユース、リサイクルも推進しています。また、リユースできない物件の廃棄処分に関しては、排出事業者として適正に法令を順守することは当然として、全数を電子マニフェストによって管理し、処分委託先への定期的な現地調査を行うなど、環境汚染等の発生防止に取り組んできました。

[リース契約が満了したリース物件の処理における3Rの取り組み]リース契約満了→再リース→リース物件の継続使用(リデュース) リース契約満了→終了(物件処分)→物件回収し、東京3Rセンター→有価物として中古市場へ売却(リユース)もしくは部品取りやマテリアル売却(リサイクル)もしくは廃棄物として廃棄物の適正処理・リサイクル(リサイクル率の向上)→最終処分(焼却・埋立)(最終処分(埋立の)最小化)

リース事業を通じた新たなサーキュラー・エコノミーの取り組み

当社グループでは、従来から取り組んできた環境保全の取り組みを進化させる形で、2020年4月に事業ドメインとして「サーキュラー・エコノミー ドメイン」を立ち上げ、リース事業を通じたサーキュラー・エコノミーの取り組みを進めています。サーキュラー・エコノミーの実現のためには多様な機能が求められますが、これは膨大なリース資産を有し、適正処理のノウハウを積み重ねてきた私たちだからこそ解決可能な課題だと考えています。

例えば、芙蓉リースは年間に10万台以上返却されるPCの100%をリユース・リサイクルしており、廃棄物を最小限に抑えています。これは、当社グループが強固な情報セキュリティ体制を構築し確実なデータ消去を行っていることに加え、10年近く使用した古いPCでも販売できる多彩な販路を有していることから可能となっています。また、再販が難しいプリンター等のOA機器は、そのままでは価値がなく産業廃棄物となってしまいますが、素材毎に解体・分別することで、再生プラスチック等の原料に転換することが可能です。実際に芙蓉リースでは2020年から、プリンター等の「マテリアルリサイクル※1」の取り組みを試験的に開始しています。

将来的には取引先の皆様とも協力し、情報機器・OA機器由来の産業廃棄物をゼロにすることを目指します。

マテリアルリサイクルの流れ
  • ※1
    マテリアルリサイクル:使用済プラスチックを粉砕・加工した後、熱処理でペレット化し、プラスチック製品の樹脂材料として再利用すること。

サーキュラー・エコノミーの“プラットフォーマー”として

サーキュラー・エコノミーの実現に向けた新たなサービスも着々と拡大しています。2021年4月にはPC導入時の新たなサービスとして、PCライフサイクルマネジメントサービス(PC-LCM)の提供を開始しました。従来のPCリースの機能に加えて、PC導入計画のコンサルティングサービスや障害発生時のヘルプデスクサービス、故障時の保守対応からリース終了時の返却手配・HDDのデータ抹消、そして再利用まで、PCのライフサイクルにかかるトータルサポート機能を提供し、“モノ”の提供から“サービス”の提供へと進化させました。当社グループが製品寿命にわたって適切なサポートを提供することで、お客様はPCをより長く・快適に・少ない環境負荷で導入することが可能となります。

自動車リースにおいては、グループ会社の芙蓉オートリースがリースアップ車両を整備し、より安価なリース料で提供する中古オートリースのサービスを開始しました。従来の中古車販売チャネルに加えて、中古車両の新たな活用方法を開拓し、製品寿命の延伸にチャレンジしています。さらに、医療機器、情報通信機器、マテハン機器といったその他の分野においても、サーキュラー・エコノミーの実現に向け、インフラ整備とネットワーク構築を着々と進めています。

芙蓉リースグループは事業を通じてサーキュラー・エコノミーを実現すべく、進化し続けてまいります。将来的にはリース事業で積み上げたサーキュラー・エコノミーのインフラとネットワークを拡大することで広域なエコシステムを構築し、当社グループのサービスを利用することがそのままサーキュラー・エコノミーへの参加となり、延いては社会全体に貢献できるような、「サーキュラー・エコノミーの“プラットフォーマー”」となることを目指してまいります。

VOICE

2020年11月、芙蓉リースは英国を拠点とするエレン・マッカーサー財団に国内金融機関として初めて加盟しました。同財団はサーキュラー・エコノミーの普及を推進する世界有数の団体であり、企業や研究機関、政府機関等と連携して、グローバルな活動を行っています。当社はサーキュラー・ エコノミーに関する知見の獲得や他の企業・研究機関等と連携するために、同財団が主催するワークショップや参加企業との共同プロジェクトに積極的に参加します。世界のリーディングカンパニーや研究機関等とともに、サーキュラー・エコノミーのビジョンに即した循環型社会の構築に貢献していきたいと考えています。

ビジネス資産統括部長
水田 泰志
(所属、肩書は2021年8月時点)