CSV4:モビリティビジネス

モビリティビジネスを通じて課題解決に貢献し、社会価値を創造する 常務執行役員 水口 敦志 11.住み続けられるまちづくりを
  • 所属、肩書は2021年8月時点

業界が抱える課題と芙蓉リースグループの対応

自動車業界は、CASE※1と呼ばれる技術革新やMaaS※2の進展により、100年に1度の変革期を迎えています。また、物流業界においては、コロナ禍の影響でEC市場が一層拡大し、物流量は増加傾向にある一方で、トラックドライバーの人手不足や高齢化、長時間労働等、多くの社会課題が顕在化しています。こうした業界の変化や社会課題に対応することは多くの企業にとって喫緊かつ重要となっており、課題解決を通じて企業の持続的な成長を実現し、企業価値を向上させるCSVの視点がより重要になっています。

このような変化を背景に、当社では2020年4月に、車両に関するトータルサポートを提供する芙蓉オートリース、運送事業者にトラックリースを中心とした経営支援サービスを提供するヤマトリースを「モビリティビジネス」としてドメイン化し、企画・運営・推進を行うモビリティビジネス推進部を新設しました。さらに、マテハン機器※3並びに建設機械のファイナンスサービスを手掛けるマシナリー営業部をドメインに加え、モビリティビジネスを戦略分野として位置付けることで、グループ一丸となって車両・物流分野における各種サービスの提供体制を整えてきました。現在はヤマトリースを通じてヤマトグループとの積極的な事業連携を図り、具体的な戦略の検討を進めています。モビリティの変革を捉えた新しいビジネスを創出し、車両・物流分野のお客様が抱える経営課題の解決に努めます。

  • ※1
    CASE:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Service(シェアリング&サービス)、Electric(電動化)の4つのトレンドの頭文字をもとにした造語。
  • ※2
    MaaS:移動手段(モビリティ)のサービス化を表すMobility as a Serviceの略語。
  • ※3
    マテハン機器:マテリアルハンドリング機器の略称で、物流業務において使用される荷役機械を指す。例として、パレットやフォークリフト、自動倉庫、コンベア等。

今後の事業展開とモビリティビジネスの戦略ビジョン

モビリティビジネスにおいては、物流領域と一般車両領域において幅広いソリューションを提供することによりお客様の課題解決を目指します。

「物流領域」では、パートナー企業との連携をさらに深めることで川上戦略を推進するとともに、物流・マテハン・働き方といった観点でお客様の課題を見える化し解決策を提供するコンサルティング営業の確立を目指します。また、米国を中心にフォークリフトのリース事業を展開するPRC社※4や北米でピックアップトラックのレンタル・リース・販売事業を展開するTDF社※5等、海外グループ会社や他ドメインのノウハウ活用を進めます。さらに、ヤマトグループ、損害保険ジャパン株式会社、中道リース株式会社等、親密な関係にあるパートナーとのさらなる連携強化・事業シナジー創出によりサービスの付加価値を高め、お客様の課題解決につながる新しいサービスの開発を推進していきます。

「一般車両領域」では、トータルフリートマネジメントサービス※6導入による安全運行支援や、カーシェアリングの活用によるお客様の社有車稼働率の向上、EV車両の導入促進など、より一層のお客様満足度向上を目指します。また、自動運転等の新技術にも着目し、最先端の技術・サービスを提供する各企業と対話を重ねて知見を収集・蓄積し、当社グループの新サービスの開発に活かします。

  • ※4
    PRC社:Pacific Rim Capital, Inc./米国を中心にマテリアルハンドリング機器のオペレーティング・リース事業を展開する企業。
  • ※5
    TDF社:TDF Group Inc./北米でピックアップトラックのレンタル・リース・販売事業を展開する企業。
  • ※6
    トータルフリートマネジメントサービス:修理・車検等の車両メンテナンス業務をリース会社が一元的に受託するとともに、走行データを活用し車両の使用や管理の効率化を図るサービス。
モビリティビジネスの戦略ビジョン

芙蓉リースグループのモビリティ分野におけるCSVの取り組み

現在、日本においては、少子高齢化や都市部への人口集中をはじめとした社会構造の変化を背景に、移動自由の確保や地域活性化、環境負荷の低減など、「移動」に関わる様々な社会課題が顕在化しています。これらの社会課題を解決する手段の一つとして期待されているのが自動運転です。当社グループは2021年6月、株式会社マクニカと自動運転の社会実装に向けた業務提携を行い、自動運転車両ARMA(仏NAVYA社製)を導入しました。自動運転の早期実装化の実現及び社会課題の解決に貢献すべく、当社が所有する自動運転車両とノウハウを、各自治体や企業の自動運転の実証実験に活用いただく予定です。

また、ヤマトリースでは運送事業者への経営支援サービスの一環として、自動車運送事業者における運転者の労働条件や労働環境を第三者機関が評価・認証する制度である「運転者職場環境良好度認証制度(通称:働きやすい職場認証制度)」※7の認証取得サポートに取り組んでいます。同社は同制度の推進機関としてリース会社初の認定を取得しており、同制度がスタートした2020年度は100社以上の認証取得をサポートしました。今後も同制度の認証取得サポートの推進や様々なサービスの提供を通じ、運送事業者の経営課題解決に取り組んでいきます。

ヤマトリース 働きやすい職場認証制度

NAVYA社製/自動運転シャトルバス
  • ※7
    働きやすい職場認証制度:運転者の労働条件や労働環境を改善するとともに、必要となる運転者を確保・育成するために長時間労働の是正等の働き方改革に取り組む事業者を認証する制度。

VOICE

2020年4月に新たに立ち上げたモビリティビジネス推進部では、歴史的な変革期にある車両・物流領域の様々な課題にアプローチしています。EC市場の急拡大による物流量の増加、人手不足対策やBCPの観点からの物流ロボット市場の拡大、長時間労働や高齢化を背景とした働き方改革、気候変動・資源不足に対応したEV化、安全運転支援・自動運転車両への取り組みなど、当社に寄せられるお客様の課題は大きく変化しています。ヤマトグループや、マテハンメーカーなどのパートナー企業との提携により、川上戦略を推進して車両・物流領域のコンサルティングを実施し、ソリューションを提供することでお客様の課題解決に貢献してまいります。

モビリティビジネス推進部長
笹倉 慎二
(所属、肩書は2021年8月時点)