若手社員が挑む、オフィス開発の
不動産ファイナンス案件
不動産ファイナンス営業部 課長代理 江澤 悠輔
コーポレート営業第二部 主任 妹尾 篤

芙蓉総合リースは、株式会社サンケイビル様(以下、サンケイビル様)と両者で設立したSPCを通じて、福岡市博多区店屋町で約5000m2のオフィスビル開発を進めています。多くのリスク整理が必要な開発不動産ファイナンス案件に、若手社員2人が主担当となって取り組みました。

未確定要素の多い不動産への共同出資者を、お客様は探していた

――どのような経緯で、この案件はスタートしたのでしょうか?

妹尾 通常、オフィスビルの不動産投資事業は東京圏がメインですが、近年は都心だけでなく福岡のようなオフィス需要が高いエリアにも注目しています。また、フジサンケイグループの不動産デベロッパーであるサンケイビル様も、日本各地でオフィスビル・マンション・ホテル・シニア向け施設などを開発しており、福岡エリアの開発も力を入れているものの一つであることから、今回の案件もそうした動きの中で取り組まれているプロジェクトの1つです。
私たちとサンケイビル様のお付き合いは、数年前からになります。これまでに複数の案件をご一緒させていただき、だんだんと先方の潜在的なニーズや、こちらの仕事の進め方など、お互いの理解が深まってきました。日頃からサンケイビル様の期待に応え続けてきたことで良好な関係を構築できた結果、この案件を相談いただくことができたものと考えます。

――ご相談とは、どのような内容だったのでしょうか?

江澤 対象となる場所は、福岡市地下鉄の呉服町駅から徒歩2分という立地。まだ当時は土地を抑えている段階、という柔らかい段階でお話をいただけました。自分たちの開発実績や今回の開発計画を迅速に判断できるパートナーと共同投資したいとのことで、芙蓉総合リースにお声がけをいただいた状況です。
この案件は、既存物件ではないためテナントは未確定、それ以外にも複数条件の検証が必要でした。サンケイビル様からは私たちが対応できるのか、対応できないのか、迅速な回答を希望されていました。
イレギュラーな条件もございましたが、私たちはコーポレートスローガンとして「前例のない場所へ。」を掲げています。未経験の領域だからと断るのではなく、社内で連携して乗り越えるべく、前向きに検討を始めました。

豊富なノウハウ・部署間連携で、迅速な回答を可能にした

――お客様のご要望を受けて、どのような対応をしたのでしょうか?

江澤 素早いリスク整理です。現地周辺の市況が良いか、予定している賃料が適正か、周辺のオフィスビルと比較して各種条件はどうか、など、1つひとつの事柄について、細かくリスクを整理していきました。
こうした業務は、担当者1人ですと知り得た情報の使い方が限られてしまうのが難点です。しかし、芙蓉総合リースには豊富な実績を持つ先輩や上司がたくさんいますし、そうした情報がチームでしっかりと共有されています。こうした風土のおかげで、今回のお客様のご要望に応えられたのだと思います。

妹尾 手前みそですが、不動産ファイナンス営業部の仕事は非常に速いです。おかげで、コーポレート営業として、お客様へ迅速なご回答ができ、信頼関係をさらに強固なものにできています。
サンケイビル様は芙蓉総合リースにとって極めて重要なお客様です。まだ若手の私が1人で情報を抱えることはなく、上司や不動産ファイナンス営業部とつねに連携しながら進めています。

――現在はまだビルの開発中ですが、どのように進めているのでしょうか?

江澤 実際にオフィスビルを建てる前にご相談をいただきましたので、芙蓉総合リースからも、テナントが入りやすい環境作りのため、共同出資者としてご提案することもありました。例えば、フロアのレイアウトや支柱の位置など、弊社のこれまでの経験に基づいたご相談・お打ち合わせを行いました。

――今後の展開に関しては、どのようにお考えでしょうか?

江澤 このオフィスビルは2023年2月の完成を目指して、順調に工事を続けています。今後の運用に関しては引き続き打ち合わせさせていただく予定ですが、運用・売却等それぞれのフェイズにて、私たち不動産ファイナンス部の共有ノウハウを活かしながら、サンケイビル様と判断していきたいと思います。

妹尾 昨年からサンケイビル様には、芙蓉総合リースが提供しているBPOサービスをご利用いただいています。ここでできた新しいつながりを活かして、適したサービスやプロダクトを別部署やグループ会社にもご提案したい。横展開をさせていただくことで、サンケイビル様の中でのプレゼンスをさらに高めていきたいです。

  • 所属、肩書は取材時点