芙蓉リースグループのCSV経営

CSV経営に対する考え方

気候変動、資源問題や数々の社会課題が深刻さを増し、事業環境が急速に変容する中、ステークホルダーからの要請や当社グループに求められる役割も変化しています。芙蓉リースグループは、CSV経営を通じて社会価値(社会課題の解決)と企業価値(利益成長)の同時実現を図ることで、SDGsに代表される社会の大きな課題に貢献していきたいと考えています。そして、CSVの観点から新たな価値を創造し続けることは、不確実な事業環境においても持続的な成長を可能とし、中長期的な企業価値向上に寄与し、最終的に当社グループが目指すミッション(使命)の実現に繋がると考えています。
当社グループは、CSVを軸とした経営の推進を通じて、事業の領域拡大と更なる進化による新たな価値創造に果敢に挑戦し、豊かな社会の実現と持続的な成長に貢献していきます。

芙蓉リースにおけるCSV経営のコンセプトについての説明。芙蓉リースグループのCSV経営は、本業を通じて社会価値と企業価値を同時に実現し、サステナブルに成長している良き社会を目指すシステムの一員として社会課題の良き解決の担い手になることと考えられている。その為の事業を通じた共有価値の創造は、「企業価値の実現つまり企業利益」「社会価値の実現つまり課題解決」「持続的に価値を生み出すために必要な人材、組織、ガバナンスなど体制の構築」の3つから成り立っている。この芙蓉リースグループのCSV経営は、中長期的な企業価値の向上、持続的な成長の実現、社会価値の創出を通じた持続可能な社会への貢献に繋がり、そしてMission 使命/存在意義である事業の領域拡大と更なる進化による新たな価値創造に果敢に挑戦し、豊かな社会の実現と持続的な成長に貢献することに繋がっている。

持続的な価値創造を支える仕組み

CSV経営を通じて持続的な成長を達成するためには、人材、組織、ガバナンスといった体制の構築が必要です。当社グループは「持続的な価値創造を支える体制に関する基本方針」を策定し、その中で定めた気候変動への対応、人権の尊重、価値向上に資する人材戦略、コミュニティへの貢献、リスクへの対応、コンプライアンスの徹底を通じて、CSV経営を推進するための強固な基盤を構築しています。

実効性の向上と取り組みの成果

当社グループではCSV経営の実効性を高めるため、重要な取り組み課題を非財務目標に設定し着実に実践しています。
非財務目標全体をサステナブルファイナンスのフレームワークにも反映し、資金調達も積極的に行った取り組みが評価され、第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」(環境省主催)資金調達者部門において、環境大臣賞(銀賞)を受賞しました。

第5回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」環境大臣賞(銀賞)受賞理由

『CSV経営の方針を明確にし、サステナビリティから事業価値を創出する動きを経営トップ自らが主導、顧客層の拡大や新たな営業機会に繋げている。また、他の金融機関との連携を広げており、業界全体の動きに繋げた。』

2024 ESG FINANCE AWARDS JAPAN SILVER

CSV推進体制

サステナビリティやCSVにかかる取り組みを推進するための「CSV推進委員会」を設置しており、同委員会は企画・管理部門統括役員を委員長とし、コーポレート部門および各事業ドメインを管掌するビジネス部門の部長を構成員としています。サステナビリティやCSVに関する重要な課題にかかる戦略および指標・目標の策定、推進、モニタリングを行ない、マテリアリティや中期経営計画における非財務目標の進捗等について議論しています。同委員会の審議・報告内容は経営会議に付議され、グループ全体のサステナビリティおよびCSVに係る方針および進捗状況は年に1回以上、非財務目標の進捗状況は年に4回の頻度で取締役会に報告されています。

CSV推進体制図

CSV推進委員会の主な議論内容

2023年度はCSV推進委員会を5回開催し、当社グループのTCFD開示情報の見直し、非財務目標の進捗状況や次年度に向けた対応計画等について審議・報告を行いました。

2024年度の主な審議・報告内容

2024年5月

  • TCFD開示情報の見直し

2024年7月

  • 2024年 統合報告書 全体方針と主たる対応事項

2024年9月

  • 非財務KPIの2024年度進捗レビュー
  • ドメインのCSV取り組み事例(船舶向けトランジションファイナンスの取り組み)
  • サステナビリティ開示の高度化の動向

2025年3月

  • 中期経営計画における非財務KPIの各年度目標
  • 中期経営計画におけるマネジメント戦略の状況
  • 統合報告書 スケジュールと策定イメージ

CSVの社内理解 ~海外現地法人のナショナルスタッフ向け交流会を実施~

CSVの実現のためには、グループ社員全員がCSVの考え方を理解・共感して実践に活かしていくことが不可欠です。
2023年度は海外現地法人、グループ会社のナショナルスタッフに対して、当社グループの経営方針や社風、注力している施策、考え方を共有し、グループの一員としての一体感を醸成することを目的に交流会を行いました。様々な国のナショナルスタッフが参加し、CSV経営やMission / Vision / Value の考え方について理解を深め、交流会の中で行われたワークショップでは参加者の年次や役席を問わず、活発な議論が行われました。

ナショナルスタッフ向け交流会の様子

CSVの理解・共感・実践に向けた取り組み

2020年度

  • CSVの理解・共感・実践を推進する研修プログラム「Let’s CSV」を実施

2021年度

  • 上記プログラムを国内グループ会社全社員に拡大

2022年度

  • Mission / Vision / Value の理解推進のワークショップを実施

2023年度

  • 上記ワークショップを国内グループ会社全社員に拡大
  • 海外現地法人のナショナルスタッフを対象とした交流会を実施

2024年度

  • Valueを体現した社員に贈る「Great Value賞」「Value賞」を創設
  • 大分大学経済学部に寄附講座「CSV経営実践論」を開設

CSVの社内理解度調査

CAV、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の社内理解度について5段階中3.74の割合でワークショップへの参加を通じてグループビジョンへの理解が深まったとしている。
  • 国内グループ会社14社(2,911名)を対象にした「従業員意識調査」における平均値。
    前年度3.74と同水準を維持。

CSV 経営の実践を学ぶ寄附講座を国立大分大学に設置

CSV経営とその実践をテーマにした寄附講座を大分大学経済学部に創設しました。
4つの社会課題をテーマに、CSV経営の考え方を役員が、実際に手掛けた案件を若手社員がそれぞれ講義したのち、グループワークで学生と対話することを通じて、企業の社会的役割を伝え、次世代を担う学生の育成をサポートしています。