TCFD提言に基づく情報開示

芙蓉リースグループは、事業を通じた温室効果ガスの削減により、気候変動の緩和に取り組むとともに、気候変動が当社グループの事業環境に及ぼすリスクや機会を踏まえた事業活動を行っています。また、気候変動が当社に与える影響をステークホルダーの皆さまに正しく伝えることの重要性を認識し、2019年5月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD*1)」の提言に賛同を表明しております。

*1気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)

G20財務大臣・中央銀行総裁会議の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により2015年12月に設立された「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略称。

2017年6月に気候変動が財務にもたらすリスクと機会についての情報開示の枠組みを示した提言書を公表した。

TCFD(TASK FORCE ON CLIMATE-RELATED FINANCIAL DISCLOSURES)

芙蓉リースグループの気候変動への取り組み

芙蓉リースグループは、気候変動に伴うリスクと機会が当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼすことを認識し、「CSV推進体制」および「リスク管理体制」の下、適切な対応を行っています。

温室効果ガスの排出量削減に向けては、まず自らが主体的に取り組みを行う必要があると考え、2018年に国内の総合リース会社として初めて「RE100」に参加しました。

RE100・CLIMATE GROUP・CDP

RE100は、事業活動で消費する電力を全て再生可能エネルギーに転換することを目指す国際的なイニシアチブです。芙蓉リースグループでは、2030年までにRE100を達成し、カーボンニュートラル(Scope1, 2)を実現することを中長期環境目標として掲げています。

また、広範な事業領域や顧客基盤を有する当社グループにとっては、ビジネスを通じて社会全体の脱炭素化に貢献することも重要な課題と考え、「気候変動問題と再生可能エネルギーへの対応」をマテリアリティ(重要な取り組み課題)の一つに掲げ事業を推進しています。具体的には、「1. 再生可能エネルギー発電事業」「2. 再生可能エネルギー関連インフラの普及推進」「3. 再生可能エネルギー関連技術への投資、事業化・商業化のサポート」の3つを柱として、脱炭素社会推進への貢献を目指しています。

詳細な取り組みについては、事業を通じた社会課題解決(CSV1:エネルギー・環境)をご覧ください。

脱炭素社会推進に向けた取り組み(全体像)

再生可能エネルギー転換に向けた取り組みの全体像 「RE100」への参加 / 再エネ転換を推進 1.電力再エネ化 グループ消費電力を100%再エネ化 目標 2024年:50% 2030年:100% 2.再エネビジネス ビジネスを通じた脱炭素社会推進への貢献(3つの柱) 再エネ発電事業 再エネ発電所開発による地域への貢献 再エネ関連インフラの普及推進 広範な顧客基盤を通じた再エネ関連インフラの普及推進 再エネ関連技術への投資、事業化・商業化のサポート 新たなビジネス機会創出のため出資や業務提携アプローチを模索

ガバナンス

芙蓉リースグループでは「CSV推進体制」のもとで持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。気候変動リスクおよび気候変動に係る機会はCSV推進室にて特定されます。気候変動に係る機会については、特に重要と認識している項目を非財務目標として設定し、CSV推進委員会にて進捗管理を行い、年に1回以上取締役会で報告しています。

また、気候変動リスクを管理するために以下の「気候変動リスクの管理体制」を構築しており、全社的なリスク管理体制の下で管理しています。

気候変動リスクの管理体制

気候変動リスクの管理体制

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戦略

芙蓉リースグループでは気候変動による財務への影響を定量的に測るため、「1.5℃シナリオ」と「4℃シナリオ」の2つの気候変動シナリオを基にシナリオ分析を実施しました。

本シナリオ分析で得られたリスクと機会の結果は、2022年度より開始した中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」にも反映されており、各種財務目標・非財務目標において、気候変動によるリスクに対処しつつ機会を最大化するための目標を設定しています。

世界の平均気温の変化

十分な温暖化対策がとられず、平均気温が4℃上昇するシナリオと抜本的なシステム移行により気温上昇を1.5℃未満に抑えられるシナリオ(当社グループはめざす世界)のグラフ表

出典:IPCC AR5 WG1 を基に当社作成

気候変動の影響度と当社事業の相関図

不動産、モビリティ、航空機、エネルギー・環境の財務影響(資産残高)と気候変動影響(リスクと機会)の度合いについては次の通りである。財務影響(資産残高)が1番高く、気候変動影響(リスクと機会)が1番低いのは不動産である。財務影響(資産残高)が2番目に高く、気候変動影響(リスクと機会)が3番目に低いのはモビリティである。財務影響(資産残高)が3番目に高く、気候変動影響(リスクと機会)が2番目に低いのは航空機である。財務影響(資産残高)が4番目に高く、気候変動影響(リスクと機会)が4番目に低いのはエネルギー・環境である。

気候変動に係るリスクと機会

主な気候変動リスク*2

全社的な気候変動リスクとして、炭素税の導入によりRE100およびカーボンニュートラル実現を目指す為のコストが増加するリスクが特定されました。ただし、当社グループのCO₂排出量を基に影響額を算定した結果、財務面に与える影響は軽微であると認識しています。

その他、特に気候変動影響が大きいと想定されるドメインにおけるリスクは以下の通りです。

項目

事業への影響

概要

時間軸

シナリオ別影響度

1.5℃

4℃

全社

移行リスク

炭素税の導入(政策・法規制)

炭素税が導入されることで、RE100・カーボンニュートラル実現に向けたコストが増加するリスク

中期~長期

不動産

移行リスク

顧客嗜好変化による競争力低下(市場)

不動産ファイナンス取引等で投資先の物件に環境対応の遅れがあった場合に、収益性や借入人の信用力が低下するリスク

中期~長期

物理的リスク

自然災害の激甚化(急性)

自然災害の増加・激甚化に伴う保険料の上昇リスク

短期~長期

エネルギー・環境

移行リスク

エネルギー買取制度(FIT・FIP)等の制度変更(政策・法規制)

想定し得ない制度変更が発生した場合、売電収入減少・運営コストの増加等のリスク

短期~長期

再生可能エネルギー発電事業における事業環境の変化(市場)

出力抑制による売電収入減少のリスク

中期~長期

物理的リスク

自然災害の激甚化(急性)

自然災害の増加・激甚化に伴う保険料の上昇リスク

短期~長期

モビリティ

移行リスク

CO₂排出量に関する規制の強化(政策・法規制)

CO₂排出量に関する規制強化等によりガソリン車の需要が低下し、従来のディーゼル・ガソリン車のリース需要が減少するリスク

中期~長期

小~中

事業環境の変化(市場)

EVへのシフトに伴うガソリン車の再販売価格の下落リスク

中期~長期

メンテナンス収益の減少(技術)

EVへのシフトに伴うメンテナンス関連の売上・収益の減少リスク

長期

航空機

移行リスク

法規制強化に伴う航空機需要の減少(政策・法規制)

CO₂排出量に関する規制強化等により航空機の需要が低下し、リース収益が減少するリスク

中期~長期

事業環境の変化(市場)

低燃費航空機へのシフトに伴い、リース期間終了後の旧型モデル航空機の再販売価格の下落による収益減少リスク

中期~長期

時間軸の定義

「短期」:現在~2025年、「中期」:2026~2030年、「長期」:2031年~2050年

影響度の定義(2030年の連結売上総利益に対する影響額)

「大」:30億円超 「中」:1~30億円 「小」:1億円未満

  • *2
    1.5℃シナリオの分析にあたり、外部情報が不足している項目については一部2℃シナリオのデータを使用しています。

気候変動に係る主な機会*3

当社グループでは気候変動問題の解決を通じた社会価値の創造を重要なビジネス機会と位置付け、中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」において社会が1.5℃の世界を目指すことを想定し戦略を策定しました。その中でも当社グループが特に積極的に取り組む項目を機会として開示しています。

項目

事業への影響

概要

時間軸

シナリオ別影響度

1.5℃

4℃

エネルギー・環境

機会

再生可能エネルギー需要の増加(製品・サービス、市場)

国内の再生可能エネルギー事業への取り組み増

短期~長期

海外の再生可能エネルギー事業への取り組み増

短期~長期

新技術・新制度等による事業機会(製品・サービス、市場)

二次エネルギー等の新規ビジネス分野への取り組み増

短期~長期

モビリティ

機会

電気自動車の需要増加(市場)

  • EVワンストップサービスの推進
  • 自動車メーカーやディーラー連携、電力会社、商社等とのアライアンス戦略推進
  • メンテネット構築
  • FCVを他社に先駆けて推進

短期~長期

電気自動車関連サービスの需要増加(製品・サービス)

航空機

機会

航空機関連の新技術の導入・新たなマーケットの形成(製品・サービス)

  • 周辺事業者への出資・協業、シナジーによる既存プロダクトの引合獲得・採算性向上
  • 新技術分野(SAF(持続可能な航空燃料)・水素・電動・eVTOL(電動垂直離着陸機)等)へのベンチャー出資、協業等

中期~長期

時間軸の定義

「短期」:現在~2025年、「中期」:2026~2030年、「長期」:2031年~2050年

影響度の定義(2030年の連結売上総利益に対する影響額)

「大」:30億円超 「中」:1~30億円 「小」:1億円未満

  • *3
    1.5℃シナリオの分析にあたり、外部情報が不足している項目については一部2℃シナリオのデータを使用しています。

当社事業への影響について

1.5℃/4℃シナリオのいずれにおいても、当社グループの事業に対する気候変動リスクの影響は限定的であり、機会の方が大きいという分析となりました。また、双方のシナリオにおいて連結売上総利益の増加が見込まれるものの、1.5℃シナリオの方がより利益の増加余地が大きいということが分かりました。

対応策/戦略への反映

気候変動リスクに対応しつつ、機会を最大化するため、2022年度より開始した中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」において重点戦略として反映しております。本中期経営計画は社会が1.5℃の世界を目指すことを想定し策定しており、脱炭素に向け経営資源を集中することで、再生可能エネルギー発電事業の拡大やEV・FCV車へのファイナンスの増加等を通じた利益の獲得を図ります。また、戦略の推進にあたっては以下の非財務目標を設定しております。

非財務目標(気候変動に関連する目標を抜粋)

項目

目標値2027/3

備考

環境

脱炭素社会

CO₂の削減貢献

50万t-CO₂/年

脱炭素推進に向けた資金投下額

3,000億円

5年間累計

再エネ発電容量

1,000MWdc

再生可能エネルギー発電事業に対する出資及びプロジェクトファイナンスが対象(発電容量は持ち分比率・シェアに応じて算出)

保有台数におけるEV・FCV車比率

30%

芙蓉オートリースにおける保有比率

脱炭素推進ファイナンスの取扱金額

100億円

5年間累計

「芙蓉 ゼロカーボンシティ・サポートプログラム」「芙蓉 再エネ100宣言・サポートプログラム」が対象

1.5℃の世界観

1,5℃シナリオ世界観@2030年 自然環境について自然災害の激甚化は一定程度進行するが抑制する。それに伴い政府・法規制が脱炭素に向けた政策・法規制の導入を行い、社会・顧客は社会全体で脱炭素化を推進する。それらがFUYO LEASE GROUPの不動産・モビリティ(EV・関連インフラの普及(+)、新規サービスの提供機会増加(+))・エネルギー/環境(再エネが主力電源化(+)、コーポレートPPA等の需要増加(+))・航空機(新技術の導入・新たなマーケットの形成(+))によってドメインの垣根を超えた脱炭素ビジネス推進・シナジー効果の発揮、RE100・カーボンニュートラル実現に向けた取り組みに対する評価が行われる

4℃の世界観

4℃シナリオ世界観@2030年 自然環境について平均気温の上昇・風水害の激甚化。それに伴い政府・法規制に大きな変化もなく、社会・顧客は従来型の消費・経済活動をする。それらがFUYO LEASE GROUPの不動産(自然災害の増加に伴い保険料が上昇(-))・モビリティ(EV・関連インフラの普及は限定的(-)、新規サービスの提供機会も増加せず(-))・エネルギー/環境(火力発電が主力であり再エネ電源の拡大は限定的(-)所有・出資する再エネ発電所の被災リスク・保険料が上昇(-))・航空機(航空機需要はより旺盛(+)新技術の導入は限定的(-))によって脱炭素ビジネスは停滞、RE100・カーボンニュートラル実現に向けた取り組みが評価されない可能性がある
主な参考文献

リスク管理

芙蓉リースグループでは「気候変動リスク」を経営上の管理すべきリスクの一つと位置付け、統合リスク管理体制の下で管理を行っております。具体的には、リスク管理統括部である経営企画部が、リスク所管部であるCSV推進室に対し、リスクの管理について適宜指示を行っています。CSV推進室は当社グループの主要な気候変動リスクをモニタリングし、重要なリスクの発生時には速やかにリスク管理統括部に報告を行い、指示を受け適切に対応します。

気候変動リスクの管理体制(再掲)

気候変動リスクの管理体制

リスク管理体制

詳細は関連ページのリスク管理/コンプライアンスを参照ください。

関連ページ

指標と目標

芙蓉リースグループは2018年に「RE100」に参加しており、2030年までに事業で用いる電力をすべて再生可能エネルギーに転換し、同時にカーボンニュートラル(Scope1, 2)を達成することを中長期環境目標に掲げています。また、当該目標の達成に向け年度毎に短期目標を設定し、環境パフォーマンスの継続的な改善を図っています。

芙蓉リースグループの中長期環境目標

RE100目標*4 :2024年 再生可能エネルギー使用率50%→2030年 再生可能エネルギー使用率100%、CO2排出量*4*5(スコープ1、2):2024年 2020年度比30%削減→2030年 カーボンニュートラル達成
  • *4
    対象範囲はともに芙蓉総合リースおよび連結子会社
  • *5
    スコープ1:社用車の燃料や都市ガスなどの使用による直接排出、スコープ2:購入電力などの使用に伴う間接排出

また、中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」では、シナリオ分析によって得られたリスクと機会の結果を基に、財務面と連動した非財務目標を設定し、戦略に反映しています。当社グループではこれらの目標を、事業戦略ならびにCSV経営を実践する上で非常に重要な目標と位置付け推進しており、その達成度合は役員報酬の算定式の一部にも組み込まれています。(詳細はページ上段「戦略」をご参照ください)

その他にも、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)、エレン・マッカーサー財団など国内外の主要なイニシアチブに積極的に参加し、知見・ノウハウの蓄積とネットワークの拡大を図っています。

環境関連データ*6

過去10年間における当社グループのCO₂排出量およびその他の主要な環境関連データは以下の通りです。

2012

2013

2014

2015

2016

2017

2018

2019

2020

2021

CO₂排出量 (t-CO₂)*7

Scope1(調整後排出量)

202

192

159

153

163

770

707

688

603☑

集計中

Scope2(調整後排出量)

1,065

956

1,110

1,045

1,089

1,273

1,197

1,283

1,414☑

集計中

Scope1+2(調整後排出量)

1,267

1,148

1,269

1,199

1,253

2,043

1,904

1,971

2,016☑

集計中

Scope3*8

-

1,246,345

1,243,298

1,420,896

1,639,334

1,768,197

1,660,727

2,866,387

2,372,283☑

集計中

CO₂排出量原単位(Scope1, 2)(t-CO₂/億円)

0.34

0.31

0.33

0.30

0.32

0.36

0.36

0.29

0.28

集計中

再生可能エネルギー発電容量(MWdc)*9

8

23

48

77

86

111

149

229

283

399

再生可能エネルギー発電事業によるCO₂削減貢献量(t-CO₂)(推定値)

472

8,910

22,236

39,636

54,115

48,258

69,514

85,577

147,574

集計中

  • *6
    ☑マークを表示している数値は、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けている保証対象指標です。
  • *7
    CO₂調整後排出量は、「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」の排出係数を用いて算定しています(電気については、算定対象の事業所・オフィスが所在する地域において電力供給を行っている一般送配電事業者の各年度の調整後排出係数を用いて算定)。対象範囲は芙蓉総合リースおよび連結子会社です。なお、海外現地法人およびグループ会社については集計開始以前の値は表示していません。
  • *8
    スコープ3は、「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(環境省、経済産業省)」に基づき算定しています。
    2017年度分までは「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.2.6)」の原単位を用いて算定しています。また、2018年度分より、「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.0)」及び「LCIデータベースIDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定⽤)」の原単位を用いて算定しています。
    対象範囲は芙蓉リースグループ、算定対象カテゴリーは全15カテゴリーとなっています。
  • *9
    再生可能エネルギー発電事業に対する出資及びプロジェクトファイナンス等が対象(発電容量は投資持分比率・シェアに応じて算出)。2021年度分より開発中案件を含む数値に変更しています。

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