トップメッセージ

社会価値と企業価値双方の創出によりフロンティアを拡大し続けることで、「前例のない場所」を目指していきます。

代表取締役社長 辻⽥ 泰徳

フロンティアの拡大を目指して

5カ年の中期経営計画「Frontier Expansion 2021」を2017年4月に開始し、2年目を迎えました。「Frontier Expansion 2021」においてはその名のとおり、未知なる分野への事業拡大を目指しています。絶え間なく変化を遂げる社会で、新たなビジネス領域に切り込むことは容易ではありませんが、芙蓉リースグループならではの強みを活かしながら、コーポレートスローガンである『前例のない場所へ。』の実現へ向けて引き続き邁進していきます。

2017年度の振り返り

2017年度の国内経済は、好調な企業業績や雇用情勢の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。海外経済も米国の通商政策や地政学的リスクの影響が懸念されたものの、全体としては堅調な景気拡大が続きました。

当該年度の国内リース取扱高は前年度比2.9%減の4兆8,759億円(公益社団法人リース事業協会統計)となりましたが、2018年3月期の当社グループの業績は、不動産リースなどの営業資産の積み上げに加え、大型リース案件の解約・満了に伴う利益計上もあり、売上高は前年度比で16.4%増の5,902億円、営業利益は13.9%増の326億円、経常利益は12.2%増の352億円となり、過去最高益を更新、「Frontier Expansion 2021」は好調なスタートを切りました。

経営資源の集中と企業価値の向上

戦略分野の選択と集中を図るため、事業領域を4象限に区分し管理するゾーンマネジメントの考え方に基づき、将来を見据えた企業運営を遂行しています。具体的には新規事業を育むインキュベーションゾーン、新規事業を拡大するトランスフォーメーションゾーン、既存事業で成果を出すパフォーマンスゾーン、生産性を上げるプロダクティビティゾーンに事業をプロットし、収益を着実に確保する分野や、経営資源を集中的に投資し、アクセルを踏み込むべき分野の判断を行っています。

また、事業継続の可否に関してはROAを判断材料としており、これに寄与しない分野の事業は撤退することも検討します。具体的には、2017年度はリソース不足が課題となっていた小口提携取引を、既にノウハウを有している子会社のシャープファイナンス株式会社に全て集約することで営業効率化を図りました。

Frontier Expansion 2021 [インキュベーションゾーン(新規事業を育む)]支援型投資・ 破壊的イノベーション フロンティア:新領域・Ex:研究開発型ベンチャーへの出資 (投資回収期間中:計期間中) [トランスフォーメーションゾーン(新規事業を拡大する)]収益パフォーマンス・破壊的イノベーション 戦略分野:エネルギー・環境/医療・福祉/新領域(アクリーティブ・モノ価値・事業価値)/海外/航空機/不動産 (投資回収期間:2~3年 ) [パフォーマンスゾーン(既存事業で成果を出す)]持続的イノベーション・収益パフォーマンス グループ:コア部門(オートリース・国内コーポレート・ベンダーリース・ファイナンス) (投資回収期間:毎年) [プロダクティビティゾーン(生産性を上げる)]持続的イノベーション・支援型投資 コーポレート部門 (投資回収期間:毎年) 参考著書:ジェフリー・ムーア『ゾーンマネジメント:破壊的変化の中で生き残る策と手順』(栗原潔訳)

変化を続ける社会やビジネス環境において、いち早くニーズを見出しソリューションを提供。事業を通じて社会課題の解決に貢献し社会価値と企業価値双方の創出を目指します

当社グループは、社会環境の変化に応じた新しいビジネスモデルを構築し続けることで、持続的な成長を目指しています。そのためには社会的な課題を見極め、その解決の糸口となるマーケットを開拓していく必要があると考えています。「Frontier Expansion 2021」の戦略分野である「エネルギー・環境」と「医療・福祉」はこの方針を具体化したものであり、社会価値と企業価値の創出が両輪となったCSV(共有価値の創造:Creating Shared Value)の考え方を実践した事業分野です。気候変動や少子高齢化などの喫緊の社会課題に対し、「モノ」や「ファイナンス」の仕組みによる様々な切り口で課題解決に貢献できるのは、当社グループの強みです。

WE SUPPORT UN GLOBAL COMPACT

また、当社の事業活動がその理念と共鳴すると認識し、2018年1月に国連グローバル・コンパクトに署名しました。グローバル・コンパクトの10原則を支持し実践することは、企業としての成長そのものに直結すると考えています。

「エネルギー・環境」「医療・福祉」分野において、日本が直面する社会課題の解決を図りつつ成長を続ける戦略を描いています

温室効果ガス削減の必要性がグローバルで議論される中、国内では原子力発電の外部不経済の大きさが顕在化し、早急なエネルギー転換が求められるようになりました。当社グループは再生可能エネルギー発電事業者を対象とした、プロジェクトファイナンスなどの「ファイナンス」スキームの提供や、エネルギー高効率の設備など「モノ」のリース・レンタルにより、間接的な温室効果ガス削減に積極的に取り組むと同時に、自らが直接的な貢献を果たす太陽光発電事業においても堅調に成長を続けています。

太陽光発電事業は2021年度末までに営業資産残高340億円(2016年度末比で約2倍)、ROAを6.0%に維持することを目標に掲げ、現在全国30カ所で発電を行っています。2017年度は当社最大規模の太陽光発電所が稼働を開始するなど、業績は右肩上がりに推移しています。このような取り組み方針を更に明確にすべく、事業活動の電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す企業連合「RE100」に、総合リース会社として日本で初めて加盟いたしました。今後、お客様をはじめとしたステークホルダーの方々との間で、様々な協働の機会が増えることを期待しています。

「医療・福祉」分野においては、医療と介護の「点・線・面作戦」を展開しています。高額な医療機器はリースやレンタルの仕組みと馴染みが良いため、従前より多くの企業が参入しています。その結果、競争が激化し既にこの分野から撤退を余儀なくされたリース会社も見受けられます。このように競争の厳しい環境の中では、「点」の状態、すなわち単一のサービスを提供するビジネスを行っていても、効果的に価値を提供し、利益を創出することができません。当社グループはこの状況を打開すべく、「Frontier Expansion 2021」でも掲げる3つの戦略軸の1つである「グループシナジーの追求」を旨に、例えば、設備・システムリースのお客様に対し、施設移転に向けたノウハウを提供したり、中古機器の買取り・販売を行うなど、まず「点」を「線」に繋ぎ、「線」を「面」に広げていくビジネススキームを構築し、当該分野の基盤を盤石に固めつつサービスの充実を進めております。

この一環として、2017年1月に診療報酬等のファクタリング事業を行うアクリーティブ株式会社を、2018年4月に中古医療機器の売買を専門とする株式会社FUJITAを子会社化しました。厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」の仕組みや考え方とも整合しており、収益率の向上はもちろんですが、超高齢化の進む日本において課題解決に寄与するものと考えています。

2018年8月には「ヘルスケアアドバイザリー室」を新たに設立。これにより、当社グループが持つ幅広い商品・サービス機能によるソリューションを包括的に提案できるようになりました。今後も「医療・福祉」分野におけるグループシナジーの創出を加速していきます。

一人ひとりが最高のパフォーマンスを生み出す働き方を目指しています

モノを製造しない当社グループにとっては、人が最大の財産です。社員が業務に集中できる環境を整え、限られた時間の中で一人ひとりがパフォーマンスを最大化することが各々の自己実現への近道であり、会社として最高のパフォーマンスを発揮するための条件であると確信しています。社員の視点でより良い働き方を追求するため、社員自らが主体的に議論に参加しつつ、働き方改革を進めています。その一例として、時差出勤制度を導入したことにより、徐々に実働時間が減少するなど、成果が見え始めてきたところです。

また、当社グループの事業を持続的に成長させるためには、卓越した専門性を持つ人材の確保が必須であると考えています。社会の多様化に対応するためには当社グループの経営資源も多様性を担保できていなければならず、競争優位を維持するためにはスペシャリストの育成が必然となります。したがって、性別、年齢や国籍を問わず、適材適所を実現できる人材ポートフォリオの構築を推進しています。2017年度には「ダイバーシティ推進室」を新設し、多様な人材の採用、登用及び活躍を今後一層加速させるための体制を整備しました。

社員一人ひとりが当事者意識を持ち、高い競争力を生み出す企業文化を育みます

厳しい事業環境の中で、競争力を継続的に強化するためには、全社員が一丸となって挑戦を続けることが必要不可欠です。当事者意識を高めるために、「Frontier Expansion 2021」は社員参画のもと、ボトムアップで策定しました。また、当社グループが経営指標としてROEではなくROAを採用しているのも、一人ひとりが効率性を重要視し、営業資産に対する利益を意識しながらパフォーマンスを高めることへの理解促進を目的としているためです。こうした背景から醸成された共通の価値観が根付くように、社員に対する決算説明会や、海外を含めた各拠点との面談など、社員と直接対話を行う機会を積極的に設けています。コーポレートステートメントにもある「無理難題を歓迎し、当社のビジネスを拡大させていく柔軟な姿勢」がグループ全体に浸透するよう、経営トップとして今後も働きかけを続けます。

株主の皆様への長期的な利益還元と持続的な成長に向けて

業績及び経営指標などを勘案し、2018年3月期の配当性向は20.1%、2019年3月期の配当予想は10円増配の156円、配当性向を20.5%としています。M&Aを含む事業戦略を推進し成長を実現するために、株主資本の充実による経営基盤と財務体質の強化を図りつつ、長期的かつ安定的な配当の継続による株主への利益還元に努めてまいります。

リース・ファイナンス事業を主軸としながらも、社会の変化に適応しながら事業領域を広げ、ステークホルダーの皆様から寄せられる期待を超えていくことが当社グループの使命です。これからも多面的なアプローチで持続的に価値を提供し続ける企業となるよう、精進してまいります。

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